洋館探訪～奈良県１

	洋館探訪（Western Style Old Architectures）
	奈良県１
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奈良県の現在までの公開件数　１０件（うち１０件）

　京都と並ぶ古都・奈良ですが、意外と多くの洋風建築が建てられ、戦火を免れたためか残っています。　また明治時代の県議会の決議により、古建築と調和した近代和風建築が比較的多いのも特徴です。

2005年5月、2008年9月　見学・撮影


奈良少年刑務所正門
旧・奈良監獄正門
奈良市　般若寺町		明治41（1908）築
レンガ／レンガ	平屋建て
＜重要文化財＞円筒状の双塔で鉄柵の門を挟んだレンガ造りの門。　門開口部や窓のアーチの要石をはじめ、要所要所に白い石が配され、装飾のポイントにもなっています。　レンガ造りの本館や放射状の獄舎とともに重文指定され、ホテル等の商業施設として転活用予定。　山下啓次郎の設計。　ＨＰ

奈良国立博物館
旧・奈良帝室博物館
奈良市　登大路町		明治27（1894）築
レンガ／モルタル	平屋建て
＜重要文化財＞東京・京都と並ぶ旧帝室博物館で、迎賓館の建築家・片山東熊の設計。　本格的な洋風建築で建てられましたが、古都奈良にふさわしくないと物議をかもしました。　展示物を引き立てるため館内はシンプルである反面、外観の窓枠や屋根の明かり取りなど装飾は手が込んでいますが、展示物保護のためほぼ塞がれています。　ＨＰ

奈良国立博物館仏教美術資料研究センター
旧・奈良県物産陳列館
奈良市　春日野町（奈良公園内）		明治42（1909）築
木造／漆喰壁	２階建て
＜重要文化財＞新築の際は古建築と調和させるよう条例で定められたため、外観は木と漆喰壁の寺社風に建てられました。　しかしよく見ると、アーチ窓や丸窓が並んでいたり、基礎の通風口に鋳物の柵がはめ込まれていたり、と近代和風建築になっています。　両翼を持つ幅広の平面構成は、明治初期の擬洋風庁舎に似ています。　ＨＰ

奈良ホテル
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奈良市　高畑町		明治42（1909）築
木造／漆喰壁	２階建て
奈良の迎賓館として建てられた近代和風建築のホテル。　古都奈良の景観保護のため、辰野金吾（辰野片岡建築事務所）の作品としては珍しい和風建築ですが、外国人宿泊客を想定し、大半の客室は天井が高いベッドの洋室となっています。　吹き抜けのロビーも立派ですが、食事をすると風格ある格天井のメインダイニングも堪能できます。　【詳細Blog】　ＨＰ

奈良女子大学記念館
旧・奈良女子高等師範学校本館
奈良市　北魚屋西町		明治42（1909）築
木造／漆喰壁	２階建て
＜重要文化財＞女子高等師範学校（教員養成学校）の本館として建てられ、２階は大空間の講堂。　漆喰壁に緑に塗られた木枠と色彩は一見単調ですが、軒や１・２階間に木枠で○や×模様の装飾が巡らされたり、１階外壁は横羽目板と竪羽目板が交互に配されていたり、変化に富んでいます。　毎年GWに一般公開されるようです。　ＨＰ

奈良女子大学守衛室
旧・奈良女子高等師範学校守衛所
奈良市　北魚屋西町		明治42（1909）築
木造／漆喰壁	平屋建て
＜重要文化財＞本館と同じ雰囲気と配色の守衛室。　盛岡と山形と同様この守衛室も重文指定されていますが、こちらはいまだに現役で使われています。　高さのある窓の上部には、菱形の細い桟も入っています。

奈良市総合観光案内所
旧・奈良駅舎
奈良市　三条本町		昭和9（1934）築
鉄筋／タイル	２階建て
＜登録文化財＞古都奈良市の玄関として屋根や全体構成などは寺社風にしつつも、タイル貼りや縦長の窓を並べるなど洋風も兼ね備えた駅舎。　奈良駅の高架化に伴い取り壊されるところを、保存運動により曳き家で移築保存され、現在は観光案内所として使われています。　ＨＰ

南都銀行本店
旧・第六十八銀行奈良支店
奈良市　橋本町		大正15（1926）築
鉄筋／タイル	３階建て
＜登録文化財＞駅前から伸びる繁華街・三条通に建つ銀行建築。　この時期の銀行建築の流れに漏れず列柱がそびえていますが、その基部には羊のモチーフが付いていてユニークです。　休日で店内には入っていませんが、外観から察するに営業室は１・２階吹き抜けではないかと思います。　長野宇平治の設計。　ＨＰ

三条会館ビル
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奈良市　角振町		大正末期築
鉄筋コンクリート	３階建て
三条通の南都銀行本店より少し駅寄りに建つ旧オフィスビル。　現在は店舗として使われているようで、正面のうち１階部分は大幅に改装されていますが、２階のアーチ窓や２・３階間の胴蛇腹が見られるほか、左側面には木の窓枠も見られます。　銀行、生保、公民館、飲食店として使われてきましたが、補強されて今後も活用されるようです。

ビアン・シュール富雄店
旧・大阪電気軌道富雄変電所
奈良市　富雄北		大正3（1914）築
レンガ／レンガ	平屋建て
現在の近鉄電車に電力を供給していたレンガ造りの変電所。　今は線路は高架を走っていますが、線路向きに正面扉があることから鉄道施設であると伺えます。　道路に面した側（写真左側）には高圧送電線を引き込む大きな穴が開いていて、その真裏の駐車場側には変電後の低圧電気を送り出す比較的小さな穴が開いています。　レストランは閉店したとの情報もあり。