洋館探訪～富山県２

	洋館探訪（Western Style Old Architectures）
	富山県２（高岡市・射水市）
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富山県の現在までの公開件数　２０件（うち１０件）

　「ここにもあったか」と思いながら、見るたび惚れ惚れしてしまう辰野建築が高岡市にもありました。　回廊のある仏壇店など、高岡市は見どころがたくさんです。

2001年5月、2003年5月、2004年8月、2018年9月　見学・撮影


赤レンガの銀行
旧・高岡共立銀行本店
高岡市　守山町		大正3（1914）築
レンガ／レンガ	２階建て
赤レンガと白い石を組合せた銀行は、辰野金吾監修の元で清水組の田辺淳吉が設計。　緑青の吹いた銅板葺きと左右の塔屋風構造が、辰野建築を連想させます。　元は吹き抜けだった営業室に２階床を増築してありますが、撤去可能な構造のようです。　辰野建築としては最後のレンガ建築かも。　耐震補強が必要なこともあり、銀行営業を終えて、転活用する事業者を選定中。　【詳細Blog】

井波屋仏壇店
旧・林屋茶舗
高岡市　守山町		明治38（1905）築
木造／漆喰壁	２階建て
＜国登録有形文化財＞店先に二連アーチの明かり取りを備えた土蔵商店。　店先は増築したのかと思いきや、創建当初からのものだそうです。　店舗部分は吹き抜けになっていて、少々華奢な持ち送りで支えられた回廊に、アーチ窓と似た唐草模様の透かし彫りを嵌め込んだ手すりを設け、吹き抜けの周囲に巡らしています。

宮崎商店
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高岡市　一番町		昭和10（1935）築
木造／タイル	２階建て
富山銀行裏の元店舗（？）。　１階部分はずいぶん改造されていますが、全体的にスクラッチタイルが貼られ、１階軒上や２階窓上半円部など、ところどころにモルタルで装飾が施されています。　細かい模様の軒蛇腹も、いい雰囲気を出しています。

山町ヴァレー
旧・谷道家住宅
高岡市　小馬出町		昭和4（1929）築
木造／タイル	３階建て
正面にタイルを貼った一部３階建ての商店兼住宅建築。　通りに面した部分は土間の店舗になっていますが、奥は居住部分の和室になっています。　また奥には蔵が並ぶ中庭があり、３階建て部の土間を通して運び入れるようになっています。　文房具店を営んでいましたが、平成29（2017）年から山町ヴァレーという商業施設として活用されています。　ＨＰ

牧野屋呉服店
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高岡市　小馬出町		明治30（1897）築
木造／漆喰壁	２階建て
角地に建つ土蔵造りの商店。　一見すると昔ながらの土蔵造りで、１階部分は他の商店と同じ雰囲気ですが、よく見ると２階部分の漆喰壁には全面に菱格子が施され、窓上にはアーチ状の水切りが付き、両隅には柱頭を備えた角柱状の漆喰細工が施されています。　ＨＰ

高岡市福岡歴史民俗資料館
旧・福岡町役場
高岡市　福岡町下向田		大正13（1924）築
鉄筋コンクリート	２階建て
＜国登録有形文化財＞建物正面に６本の付け柱を備え、中央２本を渡すようにアーチが架けられ、中には装飾が施されています。　地元の篤志家・壽原英太郎氏により寄贈され、戦後は町議会議場や図書館・公民館として使われた後、昭和63年に福岡公園内に移築されました。　建築時期や雰囲気から木造と思いきや、かなり進んだ鉄筋造でした。　ＨＰ

高岡商工会議所伏木支所
旧・伏木銀行本店
高岡市　伏木湊町		明治43（1910）築
木造／タイル	２階建て
＜国登録有形文化財＞角に出入口を持つ、スクラッチタイル貼りの旧銀行。　高岡大火後に建てられたというこの建物は、旧中越銀行と同じく元は黒漆喰の土蔵造りで、戦後タイル貼りになったそうです。　元々の回廊付き吹き抜けには床が張られているそうですが、非公開の館内には立派な鏝絵や螺旋階段があるそうです。

牧田組本社
旧・南島商工本店
射水市（旧新湊市）　庄西町		大正4（1915）築
木骨／レンガ	２階建て
＜国登録有形文化財＞焼きの濃いレンガに隅石などを白い花崗岩でアクセントを付けたオフィスビル。　レンガ構造ではなく、木骨という木の躯体でレンガの外壁を支えています。　左右対称の構造や、レンガや緑色の屋根の配色など、高岡共立銀行の影響を受けたのかも知れません。　ＨＰ

射水市竹内源造記念館
旧・小杉町役場
射水市（旧小杉町）　戸破		昭和9（1934）築
木造／下見板	２階建て
＜国登録有形文化財＞左右対称の役所建築。　上げ下げ窓が並ぶシンプルな造りながら、中央には車寄せ、三角破風、塔屋と見所を集めています。　正面中央の三角破風内のアーチや２階議場正面にある竹内源造の鏝絵を展示しています。　平成26（2018）年のリニューアル時に、写真左側のＬ字増築部を撤去して創建時の姿に復元されました。　ＨＰ

射水市小杉展示館
旧・小杉貯金銀行
射水市（旧小杉町）　戸破（茶屋町）		明治44（1911）築
木造／漆喰壁	２階建て
＜国登録有形文化財＞土蔵造りの旧銀行建築。　外観は耐火鉄扉を設けているものの土蔵ながら、館内は回廊を巡らせた吹き抜けの営業室で、内外の印象が大きく異なります。　中越銀行や伏木銀行は後にタイルが貼られましたが、この建物は黒漆喰の原形を留めています。　現在は小杉焼の常設展示のほか、貸し展示館として公開。　ＨＰ