洋館探訪
（Western Style Old Architectures）
兵庫県２（神戸市北野）
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兵庫県の現在までの公開件数　４０件（うち１０件）

　神戸市は、明治期の開港地の一つとして多くの洋館が残っているのは有名ですが、三ノ宮駅北部というか新幹線新神戸駅付近の北野（山の手）地区に、異人館が多く立ち並んでいて、内部の調度を見せる観光用に公開されています。

2000年11月、2009年4月、2010年4月　見学・撮影

 
トーマス邸 風見鶏の館
旧・トーマス邸
神戸市中央区　北野町　 明治42（1909）築
レンガ／レンガ ２階建て 　
＜重要文化財＞
尖塔に風見鶏を載く、北野地区唯一のレンガ住宅。　写真左側のガラス張りの部屋は木造のサンルームで、元はバルコニーだったのか床はタイル貼りで、居室との仕切り壁が煉瓦になっています。　八角形の１階書斎は見事なアーチ天井でした。　室内の壁紙とカーテンが同じ柄なのに感心しました。　ＨＰ
　
シャープ邸 萌黄の館
旧・シャープ邸
神戸市中央区　北野町　 明治36（1903）築
木造／下見板 ２階建て 　
＜重要文化財＞
下見板張りの住宅。　２階へ昇る階段が途中で２つに分かれ、片方は寝室・子供部屋へ、もう片方は外階段でバスルームと使用人室へ続くのが珍しい造りです。　２階には海を見下ろすサンルームが張り出していて、１階部分は円柱で支えています。　阪神大震災で折れて落ちた煙突が跡が生々しく残っています。　ＨＰ
　
ドレウェル邸 ラインの館
旧・ドレウェル邸
神戸市中央区　北野町　 大正4（1915）築
木造／下見板 ２階建て 　
茶色の窓枠が映える肌色の下見板張りで、前庭を囲むようにＬ字型に建つ洋館住宅。　南側の１階は２本組の角柱が並ぶオープンデッキ、２階はサンルームという構成で、２階の居室との仕切り壁は外壁と同じ下見板です。　市が管理していて無料公開されています。　ＨＰ
　
M.J.シュー邸 スターバックス神戸北野異人館店
旧・M.J.シュー邸
神戸市中央区　北野町　 明治40（1907）築
木造／下見板 ２階建て 　
＜国登録有形文化財＞
白い下見板に緑の窓枠と鎧戸が映える、北野坂に建つカフェ。　玄関は外壁から引っ込んで設けられていて、その上には細かな桟のサンルームが設けられています。　阪神淡路大震災で損壊し解体されたものの、その部材を使って元の所在地から少し離れた場所で2001年に再建され、カフェとして営業しています。　ＨＰ
　
グラシアニ邸 ラ メゾン ドゥ グラシアニ 神戸北野
旧・グラシアニ邸
神戸市中央区　北野町　 明治41（1908）築
木造／下見板 ２階建て 　
真っ白な外壁に細い桟の窓で構成されている洋館住宅。　サンルームのようなガラス張りの右側に対して、左側は前面に台形状に張り出していて、緑色に塗られた鎧戸とともに、外観にアクセントを与えています。　2012年に不審火により全焼したものの、残った部材で再建され、再オープンしました。　ＨＰ
　
ゲンセン邸 中華民国留日神戸華僑総会会館
旧・ゲンセン邸
神戸市中央区　北野町　 明治42（1909）築
木造／下見板 ２階建て 　
白い下見板に鎧戸を備えた窓が並ぶ個人住宅。　神戸の典型的な異人館として、南面には大きな窓が開けられたサンルームが設けられています。　正面は高い擁壁の上に建っているため、写真は裏手の北面から撮ったものですが、裏門があるレンガ塀もいい雰囲気です。
　
パラスティン邸 ザ エクセレント ヒルズ 神戸北野 ブライダルサロン
旧・パラスティン邸
神戸市中央区　北野町　 大正3（1914）築
木造／下見板 ２階建て 　
白い下見板張りに緑色の窓枠が映える、典型的な洋館。　２階バルコニーはないものの、しっかりした玄関ポーチを備え、サンルーム以外の窓には鎧戸を設けた堅牢な造りです。　２階の窓と窓の間が列柱状になっているのが珍しく、建築当時はバルコニーだったのかも知れません。　一時はカフェとして営業していましたが、現在は結婚式場のブライダルサロンとして使われているようです。
　
ハリヤー邸 うろこの家
旧・ハリヤー邸
神戸市中央区　北野町　 明治38（1905）築
木造／スレート ３階建て 　
＜国登録有形文化財＞
スレート貼りの個人住宅。　屋根材に多く使われるスレートを、魚の鱗状にして外壁を覆ったことから、うろこの家と名付けられたようです。　円筒状の中央部は螺旋階段ではありませんが、玄関の外階段も半円状に張り出しています。　外国人向けの高級借家として建てられ、現在地には大正時代に移築されたようです。　ＨＰ
　
ハンセル邸 シュエケ邸
旧・ハンセル邸
神戸市中央区　山本通　 明治29（1896）築
木造／下見板 ２階建て 　
白い外壁に構造材を緑色に塗り分けたハーフティンバーの洋館。　切妻になっている両翼を、１階サンルーム、２階バルコニーの中央部でつないでいて、北側の道路からよりも、南側の庭から見上げるために建てられているようなデザイン。　出窓にクッションが置かれ、座れるようになっているのが特徴的。　建築家ハンセル氏の旧自邸で、２階と別棟は現在も住居に使われています。
　
A.P.ディスレッセン邸 門兆鴻邸
旧・A.P.ディスレッセン邸
神戸市中央区　山本通　 明治28（1895）築
木造／下見板 ２階建て 　
下見板の洋館住宅。　左右非対称ながら、切妻の両翼間をサンルームがある中央部でつなげた構成。　外壁と構造材（窓枠・鎧戸を含む）の２色の塗り分けが多い中、さらに鎧戸を緑に塗り分けた３色構成。　屋根破風に茶色く映えるのは、ハーフティンバーの曲線を外壁から少し浮かせた装飾のようです。　ハンセルによって建てられた異人館の一つです。
　

 
 
 
 
１．
 神戸市（元町）の洋館はこちら
２． 神戸市（北野）の洋館
３． 神戸市その他と淡路島の洋館はこちら
４． 但馬地方の洋館はこちら

 
 
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